タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

最も印象に残る海外取材

旅行業界誌の編集部で働いていた頃、記者は年に2回くらいは海外取材のチャンスがありました。通常、記者は旅行会社や航空会社、国交省(現観光省)をはじめとする行政、各国政府観光局、ホテル運営会社などの取材で都内を走り回っていましたので、海外取材はそういった激務から逃れられる「ご褒美」でもありました。で、私は計6回、取材で海外に行く機会をいただけました。

 

2005年8月:シンガポール

2006年2月:グアム

2006年5月:ドイツ

2007年1月:マルタ

2007年4月:アメリカ

2007年9月:カナダ

 

シンガポールは土曜に出発、月曜に帰国という1泊3日の弾丸出張、2月のグアムは「リゾート地には仕事で来てはいけない」と実感できた、ドイツはサッカーW杯直前の盛り上がりと厳重な警備による緊張を経験、マルタは仕事じゃなきゃまず行けなかった国、アメリカでは初めて左ハンドル車で右側通行を体験、カナダでは初めてヘリコプターに乗せてもらい、空撮っぽいことができました。

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カナダではヘリコプターに乗りロッキー山脈を上空から撮影

 

友人にこういった出張の話をすると、お決まりのように受ける質問が「どこが一番良かった?」というもの。でも、私にとってはどの国・地域も良かったので、ひとつに絞ることなんてできません。何よりも、受け入れ体制を整えてくれた皆さんのことを思うと、安易に良し悪しを語ってはいけないのではないか、と。

 

ですから良し悪しではなく、今でも強く強く印象に残っているのはどこか、と聞かれれば答えることは可能です。その意味で、最も私の印象に残っているのは、マルタ共和国です。その理由についてちょっと書いてみましょう。

 

まず、日本人にとって身近ではないという希少性があります。プライベートでは旅行先として候補にすら挙がらないと思いますし。場所すら怪しい人は少なくないでしょう。「長靴のようなイタリア半島が蹴飛ばしたシチリア島のカケラがマルタ島」と言われれば、ああ地中海にあるのか、とわかると思います。ほかには、後に「マルタ会談」と呼ばれた東西冷戦を終結させた米ソ首脳会談の地でもあります。もう少しマニアックなところでは、村上春樹氏の小説『ねじまき鳥クロニクル』で、加納マルタという登場人物の名前の由来になった島、とか。有名なようで実のところを知らない国なのです。

 

次に、行ってみてマルタ共和国の旧市街の美しさに魅せられた、というのがあります。建材で使用する石の色が法で定められているのですが、新旧の建物が隣り合っても「ハニーブラウンの風景」が損なわれないようにするためだそうです。

 

それから、旧市街のヴァレッタは「マルタ騎士団」によって城塞都市として築かれたことから、ヨーロッパのキリスト教の歴史の一部を見ることができるのも印象深かった理由のひとつ。さらに、謎に包まれた古代の巨石神殿「ハジャー・イム神殿」や、謎の轍「カートラッツ」など、古代史好きの私にとって興味を引くものがたくさんあった、というのもあります。

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ヴァレッタ旧市街の「ハニーブラウンの風景」を対岸から望む(左から2番目が私です)

 

こうして振り返ってみると、もう一度行ってみたいという気持ちが大きくなってきますね。

 

それでは今日はこの辺で。