タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

「旅行」を売らず「旅」を売る地球探検隊

旅行業界誌の編集部で仕事をしていた頃、小規模ながら個性的な旅行を企画して着実に実績を積み上げている旅行会社を取り上げる連載を担当したことがありました。

 

連載は全6回で、各回2社を紹介するというもの。取材に協力してもらった旅行会社は12社に上りました。

 

その中で特に印象に残ったのが、株式会社エクスプローラ「地球探検隊」という旅行会社です。

 

エクスプローラ「地球探検隊」公式サイト | エクスプローラ「地球探検隊」公式サイト

 

まず、代表の中村伸一氏の肩書が「代表取締役隊長」。そして、お客さんは「隊員」と呼ばれています。地球探検隊が最も大切にしていることは「感動の共有」。

 

インタビュー中、中村隊長はそれまでのビジネスで出会ってきた隊員やスタッフたちと「どんな感動体験をしてきたか」を熱く語ってくれました。どうにかして私に自分の感動体験を伝えたい、という思いからだったそうです。

 

おかげさまで、紙幅が足りないくらいのネタを持ち帰り、読者からの反応も良かったのを覚えています。当時の私の筆力では、地球探検隊のパートだけ臨場感が突出してしまい、他の旅行会社のみなさんに申し訳ない思いもしました。泣く泣くカットした中村隊長のエピソードもたくさんありますが、それは今の私の肥やしとなっています。

 

インタビューで中村隊長もおっしゃっていましたが、人は感動体験をすると、誰かに話したくなるものです。だから旅は面白い。バックパッカーとして旅行したことのある人は経験があると思うのですが、ちょっとしたハプニングが起きたら、それを5倍くらいに膨らませて人に話す、なんていうのはまさにその究極の形だと思います。地球探検隊の隊員たちは、そんなマインドの持ち主ばかりだということですから、楽しい旅になるのは間違いないでしょう。

 

地球探検隊は、今年で創立20周年。大手旅行会社に代表される、パンフレットを大量に刷って人を集め、定番スポットを回る「旅行」も悪くありませんが、地球探検隊のように人と人をつなげて「旅」を売る旅行会社には、これからも頑張ってもらいたいです。

 

それでは今日はこの辺で。