タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

ディーゼルエンジンの音と振動が気になる…

欧州で広く普及しているディーゼルエンジン搭載車。データの改ざんで揺れているフォルクスワーゲンをはじめ、今ではメルセデス・ベンツBMWでもディーゼルエンジン搭載モデルがラインナップされています。

 

一方、日本ではマツダの奮闘はありますが、なかなか普及まで至っていません。日産がエクストレイルにクリーンディーゼルを導入して大々的に打ち出していた時期がありましたが、いつの間にかラインナップから消え、現行モデルにはしれっとハイブリッドモデルを加え、大々的なテレビCMまで打っています(笑)

 

日本でなかなか進まないのには、いくつか理由があります。

 

私が考えるに、一番大きな要因はイメージです。

 

東京都が貨物用ディーゼル車に対する規制を定めたにもかかわらず、都外で登録されたクルマが都内を爆走し大気中にPMやらNOxやらを撒き散らしているのが野放しになっていることに対し、当時の石原都知事が定例記者会見でブチ切れるという一幕がありました。

 

「東京都が一生懸命やっても、国の規制が抜け穴だらけだからどうにもなんないんだよ、これ!おいっ、新聞・テレビ、しっかり報道してくれよ!」

 

東京都のウェブサイトでは、都知事の定例記者会見の動画が見られますので、石原さんのブチ切れぶりを面白がって何回か見たことがあります。懐かしいなぁ(笑)

 

話を戻すと、その頃から東京都は「NOディーゼル車」みたいなネガキャンを張っていましたから、世間ににはすっかりディーゼル車=悪者」のイメージがついてしまったのでしょう。

 

次が、PMとNOxの排出です。

 

クリーンディーゼルとはいっても、ガソリン車ではあまり排出されない(と言われている)PMやNOxの排出量が多いことがあります。環境への負荷をかけたくない、というユーザーの意識があるのでしょうね。とはいえ、ガソリン車でも直噴エンジンだとPMの排出量が多いという研究結果が出ていますし、そもそもCO2排出量はガソリン車の方が多いですから、環境への負荷という視点だけで見れば、どっちもどっちだと思います。結局これもイメージの問題なんですよね。

 

で、最後は完全に私の主観です。それはディーゼル車の音と振動。

 

デミオアクセラくらいまでなら、ガソリンでもディーゼルでも振動や音は気にならないと思います。というか、この辺のモデルを求める人はあまり気にしないというか。

 

でも、アテンザクラスになると結構気になる人も多いのではないでしょうか。いわんや欧州のプレミアムブランドをや。

 

かつて仕事でSクラスのディーゼル車をいじり倒す機会があったのですが、1000万円以上のクルマであの音と振動はちょっとないかなー、と思ったものです。S600 longのV12エンジンの静かで滑らかなフィーリングの印象が強かったので、ディーゼルの音と振動はショックでした。Sクラスで4気筒エンジンっていうのも引っかかりましたし。

 

それから、先日もいつものランニングコースから家に戻ってくる途中、BMWの5シリーズとすれ違ったのですが、妙に音が大きいんですよ。すれ違いざまに振り返ってリアのバッジを見たら数字の後ろに「d」の文字が。うーん、5シリーズであの音かぁ。

 

初めて輸入車を買う人がディーゼル車にするなら、さほど気にならないかもしれません。でも、BMWメルセデス・ベンツを乗り継いできた人がディーゼル車を試乗したら、「俺、やっぱりガソリン車にするわ」ってなるんじゃないでしょうか。

 

なんぼ「トルクがある」とか「燃費がいい」って言われても、ガソリン車で低燃費競争が行われている日本では、燃費のメリットを打ち出しにくいですし、ハイブリッド車と比べると燃費は完敗じゃないでしょうか。トルクについても、ハイブリッドならモーターのアシストがあるから加速もそこまでの差はないように思います。

 

加えてディーゼル車は車両の価格も高く、日本の短い買い替えサイクルでは燃料代で元を取れないというのもありますし。

 

ガソリン車もディーゼル車も一長一短で、一概にどちらが優れているとはいえないのですが、イメージや価格という市場特有の要因に加え、音と振動という物理的な要因がある以上、日本でディーゼル車が普及するのはまだまだ先になるんじゃないでしょうか。

 

と、ガソリン車に乗っている私がここまで偉そうに語ってみました(笑)

 

それでは今日はこの辺で。