タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

宿泊業者が民泊に反対する理由とは?

民泊を巡っては、いろんなところで議論されています。

 

私自身は、地方の古民家などを利活用し、旅行者が「現地の人が生活するように滞在する」という意味での民泊なら大賛成です。

 

ホストが良い人なら、ホームステイみたいでちょっと楽しそうですし(笑)

 

しかし、ホテルや旅館といった宿泊業者からは、「民泊には反対だ」という声が挙がっています。

 

メディアによってはこういう声を既得権益にしがみつく老害みたいに扱うところもありますが、本当にそうなのでしょうか。

 

彼らにも反対するだけの理由はあるようです。

 

その理由は主に2つ。

 

反対理由その1:ホスト不在の民泊が多すぎる

本来の民泊の意義とは私が思い描いている前述のようなもので、ホストがいることが前提です。民泊大手のAirbnbが推進しているのも、基本的にはホストがいる住居のはず。

 

ところが残念ながら主流になってしまっているのは「マンションやアパートの空き部屋」を旅行者に貸し出すというスタイルです。

 

当然、ゴミの出し方や深夜の騒音といったトラブルはすでに顕在化しています。

 

これに加え、麻薬の中継地点として使われるとか、売買春の拠点にされるとか、犯罪の温床になりかねない、という懸念もあるんだとか。

 

宿泊業界のある重鎮A氏は、「テロリストの潜伏地にだってなり得る」と言っておりました。民泊新法では「180日を上限とする」というルールはありますが、たしかに抜け道は多いような気がします。

 

ホストがいれば(=他人の目があれば)、なかなか悪いことはしづらいものです。

 

私個人の主張ではありますが、ホストが同居するホームステイ型のみを民泊として認めるべきじゃないかな、と思います。

 

はっきり言って新法が施行されるまでは「違法民泊」と呼べるようなものがあまりにも多いんじゃないでしょうか。大手のAirbnbあたりからも「一緒にしないでほしい!」という声が出てきてほしいのですがね。

 

リーディングカンパニーであるならば、民泊を適切なビジネスとして定着させるような主張も時には必要だと思います。

 

反対理由その2:市場経済の原理に反する

ホテルや旅館というのは、さまざまな規制により、がんじがらめの中で営業しているものです。

 

代表的なのは消防法やバリアフリー法。

 

消防法では有資格者を常駐させる必要があり、本来の消防とは関係ないような検査も行わなければならず、それぞれに費用がかかります。バリアフリー法だって車椅子の人でも宿泊できるような施設に改修する必要があります。

 

これらの費用は全て宿泊料金に反映されていきます。

 

一方、今主流になっているマンションやアパートを貸し出す民泊は、宿泊施設としてこのような法の規制を受けません。

 

前述とは別の重鎮B氏によると、「同じ土俵で勝負させてもらえるなら文句はない。ただ、あまりにも規制の範囲が違いすぎて、市場経済の原理に反しているから反対の声を挙げているにすぎない」とのことでした。

 

 

私は宿泊事業者ではありませんので、「反対理由2」について実感することはできませんが、「反対理由1」は、もし自宅の隣にあるアパートが民泊として貸し出されることになったら嫌だなぁー、とは思います。

 

民泊については、議論の進め方が拙速な気がするんですよね。

 

「都内の空き家の有効活用」という点だけが独り歩きしているような…。

 

まあ、あれこれ言っても6月9日に民泊新法は成立してしまっていますので、今後の動きを見守るしかできないのですが。。。

 

それでは今日はこの辺で。