盛者必衰の理!? 主役の座を奪われたマカオタワー…
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす
驕れる者も久しからず ただ春の夜の夢の如し
猛き者もついに滅びぬ 偏に風に前の塵に同じ
これは平家物語の冒頭ですが、暗記した(させられた)方も多いことと思います。
ネタが切れたからって古文の授業をしようというのではありませんので、どうぞご安心ください(笑)
特に赤字で記した一説はあまりにも有名ですよね。
現代語訳すると、「どれほど勢いが盛んでも、いずれ必ず衰えるときが来る」という意味だと教わったはずです。
旅行業界周りで取材をしていると、こういう例が結構あるもの。
平たく言えば一過性のブームになったデスティネーションやテーマ、といったところです。
古いところで言えば「オーストラリアのケアンズ」あたりがそうですね。バブル世代末期の方の中には、新婚旅行はケアンズだった、という方も相当数いると思います。
2000年代に入ると「北欧デザイン」なども人気のコンテンツになっていました。
外国の政府観光局が売り出すものには、本当に盛者必衰の理と言うべきものが多いように思います。
今年の5月に取材で訪れたマカオにも、そんなかつての主役がありました。
それが今日のタイトルにもあるマカオタワーです。
今から遡ること13年前、私の妻もマカオ政府観光局が主催するプレスツアーに参加したことがあるのですが、その時のマカオの主役こそ、このマカオタワーだったのです。
マカオタワーではバンジージャンプを筆頭に、スカイジャンプやスカイウォーク、タワークライムといったアクティビティに挑戦できます。
高所恐怖症の人からしてみたら、高い所から飛び降りるなんて頭おかしい人の悪趣味じゃないか一体何が楽しいのかわからない、といった心境でしょうね。
ちなみにマカオタワーのバンジージャンプを運営するのは、ニュージーランドが生んだバンジーの狂人巨人「AJハケット社」です。
今のマカオの主役は、コタイ地区のIR(Integrated Resort)群。
海外資本が入り、キンキラでとにかく派手で大げさな建物が注目を集めています。
また、私が参加したプレスツアーのテーマは「マカオ美食年(ガストロノミー)」。
どこにもAJハケットっぽさは見当たりません(笑)
私見では、こうして主役が移り変わっていくのは決して悪いことだとは思いません。
ただし、オーバーツーリズムにだけは気をつけていただきたいものです。
それでは今日はこの辺で。