タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

追悼・兼高かおるさん

旅行ジャーナリストの兼高かおるさんが1月5日、心不全で亡くなっていたことがわかりました。

 

日本人の海外旅行が一般的でない時代に、『兼高かおる世界の旅』(TBS系)という番組でさまざまな国の様子をレポートし、後の海外旅行ブームへとつなげた功績はとてつもなく大きなものだと思います。

 

私は1度だけ、兼高かおるさんと間近に接する機会がありました。

 

当時勤めていた会社の創業者が亡くなり、都内ホテルで「お別れの会」を開催した際に、献花に来てくださったのです。

 

私はお別れの会の運営スタッフとして駆り出されていた身ですから、兼高さんと直接お話することはできませんでした。

 

会場での兼高さんは、列席者から記念撮影やサインを求められてもにこやかに対応されており、誰にでも優しく接していたのを覚えています。(亡くなった創業者の親族は我々スタッフに対してものすごく傲慢だったので、兼高さんとのコントラストが余計に際立ちましたwww比べるのも失礼ですね)

 

享年90ということですから、「お別れの会」のとき77〜78歳くらいだったはずです。

 

お歳なのはわかっていましたが、背筋はピンと伸び、後期高齢者とは思えない華やかさのある方だったと記憶しています。

 

後に聞いた話では、80歳を過ぎてもやっぱり世界中を旅していたそうです。スゴイ。。。

 

で、こんな風に書いている私ですが、実は兼高さんの番組を見たことがありません(汗)

 

私が海外で生活してみたいという強い思いを抱くきっかけとなったのは、『海の向こうで暮らしてみれば』(TBS系)という番組でした。

 

余談ですが、今も放映されている『世界ふしぎ発見!』もTBS系ですから、兼高さんの番組以降、TBSには世界の魅力を紹介するような風土が脈々と受け継がれているのかもしれませんね。

 

私の場合は、その後に出会った沢木耕太郎さんの『深夜特急』や、ロバート・ハリスさんの『エグザイルス 〜放浪者たち〜』という本が、海外志向の火に注いだ油となったわけですが。。。

 

現在の旅行業界のマネジメント層には、兼高さんのファンは少なくありません。

 

おそらく、私が『海の向こうで暮らしてみれば』を見たり、『深夜特急』や『エグザイルス』を読んだりして感じた高揚感を、兼高さんの番組や著作から感じ取り、旅行業界に足を踏み入れた人も多いと思います。

 

旅行業界の偉い人たちにも多大な影響を与え、地球180周分もの距離を移動するというエネルギッシュな人生を送った兼高かおるさん。

 

ご冥福をお祈りいたします。

 

それでは今日はこの辺で。