タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

エンジンオイルが最も劣化する使用状況とは

点検などの際に、ディーラーに持ち込んでエンジンオイルの交換を勧められたことがある人は多いと思います。エンジンオイルとタイヤは販売店にとっても利益率が高い商品らしいですから、積極的に売り込むというのもわからないではありません。エンジンオイルだって劣化しますし、エンジンの性能を保つうえではやはり定期的な交換が必要です。

 

では、エンジンオイルが劣化する要因はどんなものでしょうか?

 

私がよく聞いたことのある話に、「車を頻繁に使用しないと劣化する」というものです。

 

しかし、先輩ライターのA氏(整備士資格保有、2輪レースにライダー、メカニックとして参戦経験あり)によると、これは半分は正解で、半分は間違いだそうです。

 

A氏によると、エンジンオイル劣化の三大要素は「高温」「ガソリン」「水」とのこと。

 

高温については、冷却系統や潤滑系統が正常なら、通常は気にする必要はありません。

問題なのは、エンジンの作動中にシリンダーとピストンリングの隙間を通って、クランクケース側にわずかに漏れてくる燃焼室内の混合気や燃焼ガス「ブローバイガス」だそうです。

 

このガスにはミスト状のガソリンや燃焼によって生まれた水蒸気が含まれています。エンジンが適切な作動温度に達する前にエンジンを切り再び冷えると、水蒸気がクランクケースの壁で結露したり、ミスト状のガソリンが液体に戻ってオイルに混ざる可能性が高くなるそうです。

 

1度に混入する量はわずかでも、短時間・短距離走行が多いと、積もり積もってエンジンオイルをより早く劣化させることになります。

 

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エンジンオイルの交換は性能・燃費を発揮するうえで重要です

 

なお、このガスはエンジンが適切な作動温度に達していれば、蒸発して排気ガスと一緒にマフラーから排出されるので問題ないそうです。

 

東京都内などでは、子供の送迎と週末の買い物くらい、という使用状況の方が多数いると思います。エンジンオイルはディップスティックで量や色(汚れ具合)をチェックする、ということは知っていても、劣化について理解がある人は多くないと思います。

 

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ディップスティックで量と色をチェックするのは重要な日常点検です

 

劣化したエンジンオイルではクルマの性能も燃費も本来のものとかけ離れてしまいます。高級車に使われるハイグレードオイルを使う必要はありません。スタンダードオイルで十分ですので、もしご自身のクルマの使い方が短時間・短距離に該当する場合は、エンジンオイルの交換サイクルを早めてみることをお勧めします。

 

それでは今日はこの辺で。