タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

民泊って、うーん

たびたび『ガイアの夜明け』ネタでスミマセン。

昨日の特集は「民泊」だったので思うところがあり。

 

特集は「旅館業法の壁が厚く、民泊がなかなか浸透しない」という切り口で、「それでも新たなビジネスチャンスとしてこんな動きが出てますよ」という内容でした。

 

ただ、その中で紹介された民泊を後押ししている会社の代表が、「旅館業法ができたのは70年も前で、その内容にいちいち合わせている必要はない」みたいなことを堂々と話していたんですね。

 

ということは、彼らが行っているビジネスは、極端な言い方をすれば「違法行為」なわけです。そりゃ旅館業法は古くて、これだけグローバル化した旅行市場を想定していたはずはありません。だからといって、あそこまで堂々と言っちゃっていいのかな、と。

 

まずは旅館業法を改正してもらうよう、陳情なども含めた法改正を訴える行動を起こすのがスジだと思います。それをしても動かない国に業を煮やし、ああいった取材で堂々と「グレーなことやってますけど、法が古いのが悪いんです」と言っているなら何も言いません。むしろガンバレ、と。

 

そういう部分は編集でバッサリ切られたのかもですが、あれだと「古い法律とかカンケーねえし!こんなビジネスやってる俺らってすげええええ!」って受け取られちゃいます。ビジネスには印象も大事なんですから、あれじゃ損しちゃいます。もったいない。

 

あの取材を受けて思いのたけをしゃべったことが、彼にとっての「行動」なのかもしれませんがね。

 

さて。

 

民泊そのものを認めましょうという動きは、私は賛成です。

 

ニュージーランドにいた時も、何度かB&Bにお世話になりましたし。ああいうアットホームな雰囲気で滞在できると、ホテル滞在とはまた違った思い出になるんですよね。

(ちなみに番組で紹介されていたのは、無人の家に旅行者が来てポストから鍵を出して開けて泊まる、というスタイル。私が知るオーナーが一緒にいて団らんに加わるようなB&Bのアットホームさは皆無です)

 

ただ、番組でも取り上げられていましたが、賃貸マンションのオーナーが住人を立ち退かせて簡易宿泊所に作り変える、というのがありました。そうなると民泊を推進するのはどうかと思うのです。

 

そのマンションの住人も言っていましたが、「外国人旅行者に優しくするのは大いに結構だけど、日本人が迷惑を被ってまですることなんでしょうか」というのは、私も同意です。

(ただし、番組ではオーナーが賃貸契約期間中にもかかわらず立ち退きを迫っているのか、または次回の更新時には契約を更新しないと契約書面に明記されている期日までに借り主に伝えていたのか、という点は不明でした。オーナーに対して必要以上に悪い印象を与える手法かもしれませんし)

 

民泊推進のための規制緩和でしたが、見切り発車の感は否めません。この方向性を反対するつもりはないのですが、議論をすっとばして規制緩和だけしちゃったみたいで。だから今回のタイトルが「うーん」なんです。

 

私自身は、「バックパッカーズの旅っていいな」でも触れたように、日本には「宿坊」という簡易宿泊の歴史があったわけですから、もっとバックパッカーズが増えたらいいのになー、と思っています。

 

最後に、同じくガイアの夜明けで紹介されていた、品川宿バックパッカーズを紹介しておきます。オーナーは元バックパッカーで世界を旅した人。楽しそうな宿です(笑)

bp-shinagawashuku.com

 

それでは今日はこの辺で。