タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

分身をネット上で旅に出す「美穂の旅」

インターネットが一気に普及し始めた90年代終盤から2001年くらいにかけて、つまり私が大学生だった頃の話です。

後輩からこんな内容のメールが届きました。

「自分の分身を作ってネット上で旅をさせるっていうのがあるみたいです。定期的に旅日記が送られてきて、なかなか面白いらしいですよ。それから、分身同士が旅先で会って友達になることももできるそうです」

それがテグレット社が提供する「美穂の旅」というサービスでした。今思えば、「メル友」のマッチングサービス的な側面もあったようですが、それ以上に旅日記や写真が楽しみでした。利用者の多くもそれを楽しみにしていたようで、分身の持ち主からメッセージが届いても、2〜3度の他愛ないやりとりで終わることがほとんどでした。

当時、海外に行きたくて仕方なかった私は、当然このサービスを利用してみることに。

「ごんた」と名付けた私の分身は、オーストリアに行くつもりがオーストラリア行きの飛行機に乗ってしまうなど、現実では起こり得ないハプニングを通じて世界を旅してくれました。ごんたの旅日記を読み、さまざまな国に思いを馳せたものです。

ニュージーランドにいる間にふと思い出し、再度このサービスに登録して利用してみたんです。

ところが、分身から送られてくる旅日記を読んでも、大学生の頃のような高揚感が感じられないんです。ふしぎなもので、日本を出て生活したことで、感じ方が変わったのかもしれません。

すでに美穂の旅はサービスを終了しており、やってみて!と言えないのですが、海外への興味・関心がある人には楽しいものだったと思います。

まあ、SNSがなかった頃の牧歌的なサービスですからね。なくなるのも仕方ないかと。

いつか分身「ごんた」が巡った国々を実際に旅行してみたいなぁ。

それでは今日はこの辺で。