タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

嗚呼、三菱自動車…

またしても三菱自動車がやらかしました。

 

ニュージーランドにいる時に、友人から譲り受けた1990年式のギャランに乗っていた元ユーザーとしては、あきれる意外にありません。

 

http://www.mitsubishi-motors.com/jp/spirit/history/year/1980/images/img_80_17_a.jpg

出典:年表 | 三菱車の歴史 | 三菱自動車のクルマづくり | MITSUBISHI MOTORS

 

思えば、2000年に発覚したリコール隠しや品質問題の一連の不祥事でかなり痛い目を見たはずなのですが、何も学習していなかったと言われても仕方ありませんね。

 

2000年当時は、トヨタ、日産、ホンダに次ぐ国内4位のメーカーだったはず。上記の事件ですっかり影が薄くなってしまいました。昨年の東京モーターショーでの三菱ブースをご覧になった方ならわかると思いますが、あんなに人がいないメーカーのブースも珍しい。お姉さん目当てでカメラ小僧が集まっていただけでしたから。

 

2000年当時は「キワモノ達が好きなメーカー」などと揶揄されたマツダやスバルの方が元気がいいというのは、何とも皮肉です。今、この状況で三菱のクルマを買う方がキワモノ扱いされるでしょうしね。

 

さて、今回の不正に関して三菱自動車は、4月26日に国土交通省に報告した後で記者会見を行いました。記者会見の内容で最も気になったのは、「今回発覚した車種以外にも不正が行われた可能性があるが、まだ全容がわからない」という部分です。

 

うーん、ずいぶんのんびりしてるなぁ。少なくとも「可能性がある車種」は、発表しておいた方がよいのではないでしょうかね。三菱自動車のウェブサイトでは、「特別調査委員会を設置して3カ月を目処に発表する」としていますが、ちょっと遅いんじゃないでしょうか。納車されたばかりのユーザーは気が気じゃないでしょうし。お客さんと直に接するディーラーの営業マンも不憫でなりません。

 

それから、OEM供給をしていた日産に対しても何らかの賠償をしなければならないでしょう。この不正の発覚後、日産はデイズとデイズルークスの販売を一時中止しています(日産:お詫びとお知らせ)から、休業補償じゃないですけど、この分も上乗せされてしかるべきだと思います。

 

そして、一番の問題は海外で日本車の信頼が落ちる、という影響です。どんなに燃費が優れたクルマを作っても、「三菱と同じで不正をしてるんじゃないか」と疑念を持たれることになります。1999年に考古学界で発覚した旧石器時代の遺跡の捏造事件発覚後、世界各地で発掘調査を行う日本人考古学者が疑念の目で見られ、それを払拭するのに多大な労力を要した、という件を思い出しました。

 

私なんぞが思いつくだけでもこれだけの影響がありそうなわけです。かつてはパジェロランサーエボリューションで一時代を築いたメーカーだけに、残念でなりません。いつもなら「これを乗り越えて復活してほしい」と書くところですが、これだけいい加減なことが続くと擁護できない、というかしたくないですねぇ。

 

とにかく今まで支えてくれたユーザーに対して、できる限りの対応をしてくれるのを望みます。

 

それでは今日はこの辺で。