アメリカズ・カップが福岡で!
アメリカズ・カップのワールドシリーズが今年11月、福岡で開催されることが決定したというニュースが入ってきました。
ヨットレースが身近でない日本人にとっては「ふーん」とか「あっそう」くらいだとは思うのですが、実はこれはものすごいことなんです。
なぜなら、アメリカズ・カップはヨットの世界最高峰のレースだから。また、カップを争うスポーツとしても世界最古。1851年に開催された英国でのレースで勝ったアメリカチームの船が〜という歴史を解説していると明日になっちゃうので、わかりやすくまとめてくれている下記のニュースを参照されたし。
私が2001年〜2003年に過ごしたニュージーランドも、アメリカズ・カップに参戦してカップを防衛したこともある海洋国家。2003年にはニュージーランドで、しかも私が住んでいたオークランドでアメリカズ・カップが開催されましたから、その盛り上がりやハーバーの様子を目の当たりにすることができました。
当時は今の「ワールドシリーズ」ではなく、カップを保持しているチームへの挑戦者を決める「ルイ・ヴィトン・カップ」が同じコースで行われていました。2003年のルイ・ヴィトン・カップは、豊富な資金力に物を言わせたスイスの「アリンギ」が優勝。「チーム・ニュージーランド」との決戦でも圧倒的な強さを見せて、ニュージーランド艇は1勝もできずに敗北。3日目(だったかな?)なんて大波を受けた衝撃でマストが折れるという事故も起きました。資金が乏しくて強度テストを満足に行えなかったそうです(涙)
2000年までは「ニッポンチャレンジ」という日本チームも参戦していましたが、不況の影響で2003年のオークランド大会は参加せず。ただし、ニッポンチャレンジのクルーやスタッフが各地のチームに移籍していましたから、私が勤めていたフリーペーパーでも「オラクルBMWレーシング」に所属する日本人選手のインタビュー記事を掲載していました。
ちなみに、当時の「オラクルBMWレーシング」というチームは、現在カップを保持する「オラクル・チームUSA」の前身。チーム名のとおりオラクルの会長が「アメリカから出て行ったカップを絶対に奪還する!」という意気込みで作ったチームだと聞きました。当時、オークランドには私物のクルーザーで乗り付けていましたが、そのクルーザーの建造費はオークランドのスカイタワーの建設費と大差ない、なんてウワサもありました。
そのクルーザーの甲板では、誰がどう見てもボンボンという連中(一族だったのでしょうか)がバスケをして遊んでおり、下手くそなもんでしょっちゅう海にボールが落ちるんですよ。で、どうするか。
長い柄の着いた網を持ったボール拾い専門のスタッフがいて、いちいち拾ってあげるんです。
その様子を見てしまったら、取材に対してはとっても協力的でファンになりかけていたオラクルBMWレーシングでしたが、ほんのちょっとだけ負けちまえと思ったのも今となってはいい思い出です。
私たちが思っている以上に、アメリカズ・カップはビッグイベントです。世界中から多くのお金持ちが福岡にやってくるのですから、ぜひ楽しんで、そしてぜひたくさんお金を使っていってほしいですね。それから、ニッポンチャレンジ以来の参戦となる「ソフトバンク・チーム・ジャパン」の奮闘にも期待しましょう。
それでは今日はこの辺で。