シューティングブレークのお話
シューティングブレークと聞いて想像するのはどんなクルマですか?
車名になってるこれとか、
画像:The CLA Shooting Brake - メルセデス・ベンツ CLA シューティングブレーク
これまた車名になってるこのクルマあたりじゃないでしょうか。
車名に入ってはいませんが、デザインコンセプトで明確に「シューティングブレーク」と謳っているこんなプレミアムカーもあります。
画像:http://www.ferrari.com/ja_jp/
フェラーリGTC4Lusso!
さらにさらに、アストンマーティンが2013年のジュネーブ・モーターショーで公開したラピード・シューティングブレーク。当初ワンオフモデルでしたが、これをカタログモデルとして発売、などと言われています。SUVが一段落しつつあるプレミアムカーの世界では、シューティングブレークはSUVに次いでホットなスタイルなのかもしれません。
というわけでシューティングブレークって一体何なのさというのが今日の本題。
自動車が登場する前の時代、つまり馬車の時代にまでさかのぼるという説が有力です。
なんでも、上流階級が狩りに出かける際に、銃などの道具と獲物などを乗せる荷台を架装した馬車に由来するんだとか。
自動車の時代になると、普段気に入って乗っているクーペに荷台を架装したというのが、自動車のシューティングブレークなのだそうです。
(間違ってたら恥ずかしいのでご指摘ください!)
要はステーションワゴンじゃんとお思いでしょうが、「狩り」の目的のために「クーペやセダンを改装」したという「成り立ち」が決定的にステーションワゴンと異なります。
ステーションワゴンは、あくまでも「荷物を載せるための乗用車」という位置づけ。その意味では昔の言い方をすると「ライトバン」と言えなくもありません。
荷物を載せないことが前提だったクルマに、荷物を乗せる改造を行ったクルマが「シューティングブレーク」と言えそうです。ちょっと乱暴ですけど。
ですから、ステーションワゴンありきで、その派生形としてセダンがあったスバル・レガシィは、間違ってもシューティングブレークではないわけです。
それからもう1点。
特に英国では、狩りは貴族や上流階級のたしなみとされてきた歴史があります。シューティングブレークを製造するのがプレミアムブランドに限られているのも、そういう背景があると言えるでしょう。
トヨタとスバルが86やBRZに荷台を架装して「86シューティングブレーク」「BRZシューティングブレーク」を出すことはないと思います。入門用スポーツカーですからね、この2台は。
このように、見た目の形は一緒でも成り立ちによって呼び方が変わるクルマというのは結構あります。
オープントップモデルがよい例でしょう。「カブリオレ、コンバーチブル、ドロップヘッドクーペ、ロードスター、スパイダー」なんてさまざまな言い方があります。これについては、今後思い立ったら書きたいと思います。
それでは今日はこの辺で。