タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

読むと旅に出たくなる本の話:その2『エグザイルス』

「エグザイル」という響きから想像するのは、歌って踊るあの人たちの姿という人は少なくないと思います。

 

Choo Choo TrainはZooの曲じゃねぇかよという私のようなオジサンは多いはず。イントロでガラの悪そうなヤカラが今どきの男性たちが1列に並んでぐるぐる踊ってる姿を見ても、違和感を感じるばかり。

 

で、本題の『エグザイルス』。

 

この本の著者はロバート・ハリス。私よりも年上の人には、ラジオ番組『100万人の英語』のDJであるJ.B.ハリスの息子、と言った方が早いでしょうか。

 

そのロバート・ハリスが1997年に自叙伝的な作品として書いたのが『エグザイルス』です。サブタイトルは「放浪者たち すべての旅は自分へとつながっている」です。

 

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ロバート・ハリスが高校生の頃からヒッチハイクで全国を旅したとか、敷かれたレールに沿って歩く人生なんて嫌だと旅に出る話、旅先でのハプニング、誰々を知っているといった自慢話(笑)、最終的にオーストラリアで画廊兼書店を経営するに至る話など、彼が経験した「旅」の話が時系列的に描かれています。

 

バックパッカーの特徴とも言うべき多少の脚色はあるのでしょうが、旅の物語として楽しめる内容です。

 

私がこの本を読んだのは1999年。大学生の頃です。バイト先の社員さんが「面白いから読んでみな」と貸してくれました。仕事を終えて午前2時頃に帰宅し、読み始めたら止まらなくなって1晩で読了。

 

オンライン書店のレビューを見ても軒並み高評価で、「人生が変わりました!」みたいなのもちらほら。わたしはひねくれた物事を熟考する学生でしたから、「すぐに旅に出よう!」とは思いませんでしたが、自分とはスケールがまったく違う人生を歩んでいる人なんだなー、とは思いました。

 

だって、彼が旅先でやってることって、ギャンブル、ドラッグ、女 etc...ですからね。そんなに胸を張って言えることじゃありませんから(笑)

 

まあ、アウトサイダーに強いあこがれを持つような年代の素直な男子ならば、「俺も旅に出てスケールの大きな男になる!」って思っちゃうかもしれませんね。そういう発作的な出立を私は否定しませんし、むしろ肯定派です。

 

ただ、この本の中でロバート・ハリスがワーキングホリデーでオーストラリアにやってくる若者に触れている部分があるのですが、ワーホリメーカーたちを「目が死んでる」みたいに表現しているんです。

 

そういう制度とは関係なく放浪の旅に出た人から見れば、ワーホリさんたちの姿はそう見えてしまうんでしょうね。

 

私もワーホリ制度を利用してニュージーランドに行ったクチですから、彼から見れば「死んだ目」をしていたに違いありません。

 

しかし、ワーホリ同士でも気合の入り具合って異なっていて、私はかなり気合が入っていた方だったと思います。

 

ある日、語学学校で出会った日本人男性が「何をしに来たかわかんなくなっちゃって…」と私にこぼした時は、「だったら時間の無駄ですから、日本に帰った方がいいと思いますよ」と一喝したこともあります。年上の方でしけど。

 

もし私がワーホリ制度とは無縁の旅を選択していたらどうなっていただろう。『エグザイルス』の内容を思い返していたら、そんなことも考えてしまいました。

 

それでは今日はこの辺で。