嗚呼、MRJが…
三菱重工と三菱航空機から、MRJの納入再延長が正式に発表されてしまいました。
詳細は下記リンクでご覧ください。
http://www.flythemrj.com/j/news/date/img/Advancing%20the%20MRJ%20project_j.pdf
平たく言うと、「電気配線全体を最新の安全基準を満たす設計に変更することになった」ため、「初号機の納入を現在の2018年半ばから2020年半ばに変更する」という内容です。
この段階にきて、配線全体の設計を変更するというのはどういうことなのでしょうね。
こういう事態になった理由を考えるうえで考えておきたいのは、戦後、GHQによって日本は航空機の開発を禁じられた、ということです。
サンフランシスコ講和条約締結により、再び航空機製造が認められたとはいえ、国産航空機で目立った機材といえばYS-11くらいだと思います。
この空白期間のために航空機製造のノウハウが失われたことは否めないと思います。MRJがこの段階で電気配線全体の設計を変更するなどというのは、経験値として設計思想や技術が蓄積されていない、という事実を露呈したことではないかと考えます。
戦前は航空機大国だった(軍用機がメインとはいえ)日本の牙を抜いておいたことは、アメリカのボーイングやフランスのエアバスなど欧米の企業が航空機産業でイニシアティブをとり続けるという大きな意味があったと考えざるを得ません。
度重なる納期の延長を報じるメディアの論調は、「三菱なにやってんだ」的な雰囲気であっても、私は初号機が納入される日までMRJを応援しようと思います。
日本製の旅客機が飛ぶって、やっぱり夢がありますからね。
それでは今日はこの辺で。