みんな気になるザイテングラート
7月に入ってからアクセスが増えている記事がこちらです。
夏山シーズンに入り、穂高連峰を目指す人が多くなっているためでしょうね。
今でも「ザイテングラートはコワイ」とか「ザイテングラートでは毎年何人もが滑落事故で命を落としている」というイメージがあり、実際に行った人はどうなのよ、と気になるのだと思います。
たしかに積雪期はここでの滑落事故は多く、滑落すればまず助からないでしょう。私は低山であっても積雪期は登山をしないので、積雪期の注意点はわかりません。
無積雪期のザイテングラートに関しては、岩にペンキで書かれた「◯」印を注意深く見つけながら進めば、そこまで難しいルートではありません。一部の鎖場やハシゴは危険なように見えますが、そういう場所は誰もが注意しながら進むため、ほとんど事故は起きないようです。
危険なのは、先を急ぐあまりに消えかかっている「✕」印に気づかずに進んでしまうことだと思います。
立ち止まって水でも飲みながら岩をよく見れば、必ず「◯」印は見つかります。時間に余裕を持ったスケジュールを立てるのが大切だと言われるゆえんですね。
ザイテングラートは登っている間は辛いのですが、ここをクリアして穂高岳山荘に到着すると、テラスからこんな素晴らしい眺望が待っています。
ただし、奥穂高登頂のためには、さらに穂高岳山荘のすぐそばにあるこの断崖をクリアしなければなりません。
ちょっと逆光で見づらいですが、登ってみるとものすごい高度感で、私にとってはザイテングラートなんかよりこっちの方がコワかった!
その断崖もクリアして奥穂高岳を目指して歩くと、途中でジャンダルムなどが見えるポイントに到着。
穂高連峰のスケールのデカさに圧倒されました。
むしろ登頂時よりも興奮したかもしれません(笑)
この興奮は写真では絶対に伝わらないので、行ってみてくださいとしか言えませんが。
とにかく余裕を持って慎重に進みさえすれば、こういう景色が待っていますが、悪天候時は早めの撤退を。私たちも台風やみぞれ混じりの雨で撤退を重ね、奥穂高登頂まで5年かかりました。
山は逃げません。
死んじゃったら二度と登山できませんからね。
それを肝に銘じつつ、ぜひ、安全な登山で楽しい思い出を作ってください。
それでは今日はこの辺で。