経営破綻した「てるみくらぶ」の債権者集会が行われたそうです
今年3月下旬に経営破綻した旅行会社「てるみくらぶ」。
上半期の大きな話題となりました。
世間ではすっかり存在が忘れられていました(笑)が、11月6日に債権者集会が行われたそうです。
一般メディアの報道は、経営破綻時と同様にセンセーショナルな方向に振れています。
簡単に見出しをご紹介します。
破綻の「てるみくらぶ」債権者集会で怒号
経営破綻の「てるみくらぶ」債権者集会で批判相次ぐ
一方、旅行業界メディアは冷静な感じ。
てるみくらぶが債権者集会、500名超が参加、粉飾認める
実際に集会に参加した債権者でなければ、本当に「怒号」が「飛び交った」のかどうか分かりませんが、そのあたりは私がどうこう言うことではありません。
トラベルボイスの記事によると、破綻に至ったのはLCCの台頭や航空券の仕入などの環境変化に対し、ビジネスモデルを転換できなかった、ということだそうです。
それで赤字販売を続けて資金集めを繰り返し、雪だるま式に負債が増えていったのだそうです。
絵に描いたような自転車操業ですね。。。
トラベルボイスは詳しくかつ冷静なトーンの記事ですので、興味のある方はご覧ください。
債権者の中には「家族で記念のハワイ旅行を申込んだのに…」という方もいたようで、お気の毒としか言いようがありません。
まあ、てるみくらぶの一連の騒動で私が思ったことは、記念の旅行などは大手を利用するに限る、ということです。
さすがにJTBは潰れねえだろう、と(笑)
さらに言えば、もう旅行会社に頼らなければならない人は多くない、というのもあります。ネットで航空券を買ってホテルを予約すればOKですもんね。ネットが普及し始めた頃よりも格段に操作しやすくなってますし。
それにしても、てるみくらぶの経営破綻劇を対岸の火事と決め込むことができる旅行会社はどれだけあるのかなぁ。
かつて、大手旅行会社でも「ハワイ5日間1万9800円〜」なんてスポット商品が出ていました(一部は今もある)が、どう考えても赤字ですよ。
赤字なのになんで売るのか、不思議ですよね。
実は、こういった安い商品で客数を稼ぐと、航空会社から集客実績によって算出されるインセンティブ(キックバック)が支払われるんです。旅行会社はこのキックバックで赤字を補填するわけです。
通常のビジネスでは、こんな危なっかしいことはしないでしょうね。表には出てこない話ですが、そんなことをして生きてきたのが旅行業界なのです。
多かれ少なかれ、赤字商品で資金を集めるような手法を取らざるを得ない会社も、今なお一部には残っていると思われます。
また、てるみくらぶは「環境の変化に対しビジネスモデルを転換できなかった」ために自転車操業に陥って破綻に至りましたが、これを笑える旅行会社は少数派です。
旅行用スーツケースに車輪が付いたのは、アポロ計画で人類が月面に降り立ったよりも後だったなんて言われるほど、イノベーションには後ろ向きな業界ですから、市場環境の変化に対応するという部分については、旅行業界全体で真摯に受け止めて取り組んでほしいと思います。
お客さんに迷惑をかけて破綻するという最悪のパターンとなりましたが、要は環境の変化に対応できない企業は淘汰される、ということなのでしょう。。。
それでは今日はこの辺で。