タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

海外の観光局のキャッチコピー、1位はニューカレドニアのあれ!

旅行業界向けの媒体で記者をしていた頃、海外政府観光局とホテルを主に担当していました。

 

海外の政府観光局の日本支局というのは、日本市場向けにどんなプロモーションを行い、年間どれくらいの日本人旅行者を現地に送り込む後押しをするか、というのが主な仕事となります。

 

各種メディアへの露出は、番組作成の協力をしたり、広告を出したり、取材ツアーを主催したり、というのがメインになります。

 

また、単独の広告戦略として、山手線などでラッピング電車を走らせるトレインジャックや駅構内での広告掲出などでしょうか。

 

旅行業界向けには、パンフレット作成の支援・補助や、団体旅行の支援・演出の協力などがあります。

 

そう考えると、結構重要な役割を担っているわけです。

 

私が旅行業界誌を去った後は、予算の関係や日本市場の縮小(というか中国人旅行者が世界中に増えたことによる比較論ですが)などの理由から、直営の政府観光局というのが減少してしまいました。

 

その結果、観光局が担っていた機能を大手広告代理店やPR代理店に委託したり、組織を縮小して大使館の商務部などに組み込んだり、以前のような活発な動きはなくなりつつあります。

 

私が取材していたのは、海外の観光局の活動が活発だった最後の時期だったのかもしれません。

 

そんなふうに元気だった頃の観光局のキャッチコピーというのは、各国の魅力を端的に表すものが多く、今でも印象に残っているものがたくさんあります。

 

ニュージーランド贔屓の私としては、ニュージーランド政府観光局の「100%PURE NewZealand」は言い得て妙だと思いますし、現在の「さあ、次の旅へ」も大好きです。

 

そんななか、今でも第1位に挙げたいのは、ニューカレドニア観光局のキャッチコピーでした。

 

元カレよりニューカレ。

 

これはインパクトありました!(笑)

 

およそ普通の観光局では採用されないですよね。

 

私はこのコピーを打ち出した日本支局長さん(日本人です)にインタビューしたことがあるのですが、とっても面白い方でした。イントネーションが西日本っぽかったので、そういう笑いの感覚みたいなのもあるかもしれません。

 

局長さん曰く、ニューカレドニアのターゲットは女性です。彼女らに対し『元カレのことなんてすっきり忘れて、ニューカレドニアでリフレッシュしましょう!もしくは、ニューカレドニアで新しい彼(New彼)を見つけちゃいましょう!』みたいなポジティブなメッセージを発する意味で、キャッチコピーをこれにしたんですよ。これ、ええやろ!」って豪快に笑ってました(笑)

 

下品なほどデカいフォントで「元カレよりニューカレ」と印刷されたポスターが、地下鉄構内などに張り出されていたため、当時もブログなどでかなり取り上げられていました。

 

SNSが普及している現在なら、もっと話題になっていたかもしれません。

 

残念ながら、ニューカレドニア観光局は現在このコピーを使用していません。ひょっとすると、前述のような組織変更があったのかも。

 

近年はインバウンドばかりがクローズアップされがちですが、また海外の観光局が楽しいキャッチコピーをバンバン出してくれる時代が来るといいなぁ。

 

それでは今日はこの辺で。