日常生活に溶け込んでいる(?)マオリの文化
日本を訪れる外国人旅行者が驚くことの1つに、超近代的なビル群のすぐ隣にお稲荷さんの社があるなど、近代と現代が融合していることだ、と聞いたことがあります。
確かにヨーロッパでは世界遺産に登録されている「旧市街」に対して、近現代の人々が生活する「新市街」があることも珍しくありませんから、日本で過去と現在が交錯する街の様子に驚くのかもしれませんね。
さて、私が2001年から2003年まで滞在したニュージーランドでも、訪日外国人と同じような感覚を抱くことがありました。
例えば私が住んでいたニュージーランド最大の都市オークランドでも、先住民族マオリの文化をあちこちで感じることができました。
シティ・オブ・セイルズ(帆の街)と呼ばれるオークランドの代表的な名所にヴァイアダクトハーバーがありますが、マオリの彫刻があったのです。
左のアホは無視してください(笑)
この像は昔からあったものではないようですが、こういうものを設置するあたりにマオリの文化にある一定の敬意を払っている証なのだと思います。
このあたりは1840年にマオリ族と英国の間で締結された、マオリの権利を認めるワイタンギ条約のおかげなのだと思います。
ま、ワイタンギ条約は現在でもその解釈を巡って議論の対象になっており、マオリと白人の諍いの元になっているようですから、条約を額面通りに受け取ることはできないようですが。
私も滞在中にニュースで条約の解釈を巡る衝突が何度も報じられているのを目にしましたし、知り合いの白人がニュースの画面に向かって「◯◯◯◯◯◯!」って激しく罵っていたのも目の当たりにしていますので、当事者でなければわからない難しさがあるのでしょう。
少なくとも、外から訪れた人間の目には先住民と良好な関係を築いているとしか映りません。
いつか本当にわかりあえる日が来るかどうかはわかりませんが、そんな理想の世の中を目指して議論を重ねることは決して無駄ではないとも思っています。
それでは今日はこの辺で。