ちょっとだけマジメなツーリズムの話
今日はほんのちょっとだけマジメな話をしてみましょう。
オーバーツーリズムという言葉をご存知でしょうか?
人気が出た観光地に人が押し寄せ、自然環境や文化遺産にダメージを与えてしまう、というのが直接的な意味合いです。
近年では、ツーリズムによる経済効果が地域住民に還元されないとか、大挙して押し寄せる観光客と地域住民の間でさまざまなトラブル(一般的には住民が迷惑を被る)が発生する、などという意味も含まれているようです。
具体的な例を挙げるとすると、一時期大ブームとなったアンコールワットなんかがその例なのかもしれません。
また、訪日外国人が急速に増えている日本でも、例えば京都などでは観光客と市民の間でトラブルが起きている、という報道があるように、対岸の火事とは言えない状況になっています。
オーバーツーリズムという言葉は若干マイルドに聞こえますが、ここ1〜2年で日本では観光公害というセンセーショナルが文言が使われるなど、問題が顕在化してきています。
以前もこのブログで触れましたが、やはり数だけを追いかけてきたツケなのだと思います。
先週、東京ビッグサイトで開催されたツーリズムEXPOの会期中に行われたセミナーやシンポジウムでは、持続可能な観光開発やオーバーツーリズムを解消する手法などがテーマとして取り上げられました。
また、各国の観光大臣が一堂に会した大臣会合でも、テーマはこの2つでした。
国連世界観光機関(UNWTO)によると、2030年までに世界の海外旅行者数は18億人を超えると予測されています。
日本はもちろんですが、世界中でオーバーツーリズムが顕在化する中で、数だけでない本質的なものを追求するツーリズムが世の主流になっていくにはどうすればよいのでしょうか。
ツーリズム界隈で取材をする者として、このあたりのテーマをもう少し深掘りしていきたいな、と思っています。
それでは今日はこの辺で。