マルタの首都、ヴァレッタの街並みで思い出したEV化へと進む理由の1つ
先日、マルタの観光大臣が遅刻してきたおかげでゴゾ島のケンピンスキーに泊まれなかったよ、という話を書きました。
これを書いているときに思い出したネタが1つありましたので、今日はそんなお話でも。
マルタの首都、ヴァレッタの旧市街地は、世界歴史遺産に登録されています。
マルタ特産の石を使った、ハニーブラウンと呼ばれる色の建物が並ぶ様子から、当時の記事には「騎士団の幻影とハニーブラウンの風景」というスカしたサブ見出しを付けました。
うーん、若かったなぁ(苦笑)
旧市街で撮ったものではないのですが、ハニーブラウンと言われるゆえんがわかる写真がこちら。
ここは旧市街で最も有名な観光スポットの1つ、アッパーバラッカガーデンの対岸にあるスリーシティーズにあるセーフヘブン公園です。
ただし、近くでこれらの建物を見ると、建物の上の方が煤けたように汚れているんです。雨が降ると、その汚れが雨垂れとなって下の方に伸びていった様子がわかる箇所もありました。
ガイドさんの説明によると、マルタ人の多くはヨーロッパ各地から輸入されてくる古い中古車を使っているから、その排気ガスによって汚れてしまうのだ、とのことでした。
自動車産業がなく、経済的に決して豊かではない国を訪れると、こういった側面を目の当たりにすることもあるんですね。
余談ですが、マルタを訪れた前の年に取材したドイツのデュッセルドルフでは、旧東ドイツ製のクルマ「トラバント」に出くわしました。
アメリカのボストンから来ていたジャーナリストと「走る大気汚染だwww」と言って大笑いしたのを覚えています。
こんなふうに、欧米では日本以上に排気ガスによる大気汚染に敏感ですから、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェあたりがEVの開発を急速に進めているのもうなずけます。(これらのメーカーがEV化に突き進む最大の理由は、最大市場である中国で環境規制が強まるから、というものですが。。。)
さて、日本の自動車業界はどうでしょうか?
初の量産車EV「リーフ」でその世界を切り開いた日産でしたが、会長の逮捕により揺れています。
ホンダは優秀なエンジニアのほとんどをホンダジェットに投入しちゃってるみたいですから、クルマについては他社が切り開いた道を歩みそう。
スバルとマツダがEV部門で先陣を切ることはないでしょう。
立場的にやらなきゃいかんのはトヨタでしょうが、世界で初めてハイブリッド車(HV)を世に送り出したという自負が強すぎたのか、HVへのこだわりのあまり欧州メーカーと比べると出遅れた感が否めません。巻き返しに期待しましょう。
せっかくお金と時間をかけて旅行に行ったのに、街が薄汚れていてガッカリした、なんてことにならないよう、メーカー各社には頑張ってほしい!
それでは今日はこの辺で。