留学中に仲良くなった人はみんな「いい人」か?
なんだか重苦しいタイトルにしてしまいましたが、今日は私がニュージーランド滞在中に出会い、日本で再会した人の話です。
主役の名はXさんとしておきましょう。ちなみに女性です。
人によって留学期間が短期・長期さまざまなので、とにかくいろんな人がクラスメイトとして出入りします。
しかし、Xさんは同じ語学学校に通っていたものの、私と同じクラスになったことはありません。
Xさんは、私の友人Yさん(北海道出身・女性)と仲の良い友達だったというつながりで知り合いました。
余談ですが、「友達の友達は友達」みたいなところがあって、1度でも会話をしたら「友達」みたいな雰囲気になることが多々ありました。
なので、たまにYさんやXさんを含む数人でランチを食べたり、飲みに行ったりしたこともあり、Xさんに対する印象は悪いものではありませんでした。
帰国後、北海道からYさんが東京に来るというので、Xさんも交えて飲もうということになり、久しぶりに再会。
その時点の私は、日本のメディア業界への就職活動中。なかなか決まらず悶々とした日々を送っていた頃でした。飲み会でもYさんとXさんにそんな話をした覚えがあります。
Xさんとは連絡先を交換して別れたのですが、数日後にXさんからメールが。
「ちょっと面白い話があるんだけど、◯日の夕方って空いてる?詳しいことは当日に現地で話す」
とのこと。
XさんはいわゆるOLではなく、ちょっと珍しい職業の人(国家資格が必要な仕事で、もちろん表社会の人)でした。さまざまな業界に知り合いがいる可能性があったため、私は「メディア関係の人を紹介してくれるのかな」なんて考えて、指定の日時に新宿へ向かいました。
新宿駅でXさんと合流して向かったのは、ある雑居ビルの3Fにある会議室。
Xさんに聞けば、「セミナーだ」と言うではないですか。
この時点でひょっとしたらヤバい話かもしれないという警報が頭の中で鳴っていたため、いつでも逃げられるように非常階段の位置だけは確認しておきました(笑)
「セミナー」が始まってみると、講師の男性が「人生にとって最も重要なのは健康だ」みたいな話をし始めて、そこから「給与所得だけでは好きなことはできない」とか「資産運用がどーたらこーたら」とかに発展し、挙句の果てには「会社員のベースアップなんて数百円の話でしょ?勘弁して下さいよwww」なんてあおり始める始末。
そしてついに「このサプリメントを紹介することで、その代金の◯%があなたに入ります!紹介した人がまた別の人に紹介すれば、さらに◯%が!サプリでみんなが健康になって、お金も入ってくるんですよ!」だと。
ネズミ講じゃん、これ(笑)
厳密に言えば、「無限連鎖講の防止に関する法律」で禁じられているネズミ講とは違う合法のマルチ商法やMLMだったのかもしれませんが、目の前で繰り広げられている話は、私からすればネズミ講以外の何物でもないわけで。(いま思うとあれはアム◯ェイだったのかなぁ)
何よりも驚いたのは、どう見てもネズミ講の話なのに、セミナー参加者の大半が目を輝かせてウンウン頷きながら聞いている姿でした。
洗脳された状態とでも言うのでしょうか。そういう人を目の当たりにするのは初めてだったので、とても新鮮に感じましたね。
とんでもねぇ所に連れてきやがったな、という意図を込めた真っ白い目をXさんに向けると、慌てて目をそらしましたwww
セミナー終了後、「初参加の人は登録しないと帰れません」って言われたらどうやって逃げようかな、なんて考えていましたが、そんなことは言われませんでした。(そういうのをやると違法になるんでしょうかね)
また、怖い人が出口を塞いでいる様子もなく、エレベーターに乗って1Fに降り、ビルを出ることができました。
私の白い目の攻撃を受けたXさんは、すでに私を勧誘する気は失せていたようですが、Xさんと顔見知りになっている周囲の男性陣は「食事でも行きませんか!?」と元気よく誘ってきます。
この段階では私も面白くなってきて、じゃあ食事にしましょうと会場近くのファミレスに入ったわけですが、約1時間半ほど「のびーさん、やってみませんか!」と熱心に誘ってくる洗脳されたいい大人の様子を堪能しました(笑)
ちなみに勧誘の文句は型どおりでした。「ライターとして成功するのびーさんをみんなで応援したい」とか「成功するまでの資金的なバックアップになる」とか。
前者の誘い文句に対しては「自分の文章一つで成功するつもりなので、他人の応援は不要です」と返し、後者には「金銭的に厳しい時期を経験していた方が将来のネタになる。邪魔しないでほしい」と言いました(笑)
別れ際には「勧誘する相手を間違えましたねwww 皆さんがやっていることは、僕の人生には一切関係ありませんので放っておいてくださいwww」と声高らかに笑い飛ばし、電車に乗りました。
帰りの電車の中で、Xさんの電話番号とメールアドレスを着信拒否にし、アドレス帳から消したのは言うまでもありません。
就職活動中という弱みにつけこむつもりだったのが見え見えで、心底腹が立った思い出となりました。
留学中という極めて短い期間、そして海外在住という極めて特殊な環境で出会った人(特に日本人同士)は、基本的に「いい人」に見えるものです。そのほとんどが「いい人」なのですが、たまーにXさんのような人がいるのも事実なのです。
これから留学やワーキングホリデーを考えている方は、現地で会う外国人だけでなく、日本人にもご注意されたし。
それでは今日はこの辺で。