タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

旅行者が急増すると必ず起きる弊害、「観光公害」を考えてみる

政府は、2020年までに外国人旅行者を4000万人に、2030年までに6000万人まで増やすという目標を掲げています。

 

この数字は、本来は「日本人の消費人口の減少分を、これくらいの外国人旅行者に来てもらえれば補える」という試算に基づくものでした。

 

しかしここ数年、数だけが独り歩きしてしまっているように思います。

 

外国人旅行者1人あたりの日本での消費額は減少しており、このままでは4000万人を達成しても、経済効果の目標には達しない、なんてことも起こりかねません。

 

そうなってしまうと、「観光公害」というセンセーショナルな言葉に代表されるように、外国人旅行者の増加に伴う弊害の方がクローズアップされてしまいます。

 

この1〜2年の間に、こういった弊害を伝える報道も増えたように思います。

 

先日もこんなのがありました。

nikkan-spa.jp

 

まあ、今をときめく『SPA!』の記事(笑)ですから、内容を鵜呑みにせずそれなりに割り引いて読まなければなりませんが、全くの作り話とも言えません。

 

上の記事で登場する新宿ゴールデン街については、私も2016年にこんな風に書いています。

tabiguruma.hatenadiary.com

 

新宿ゴールデン街といえば、私のような真っ当な生き方をしている人間(笑)には縁がないようなディープな場所だったはず。

 

2016年秋にふとしたきっかけで訪れることになったわけですが、あまりの外国人の多さに「うへぇ…」となったのを覚えています。

 

SPA!の記事には、沖縄の竹富島のように外国人旅行者ではなく国内旅行者の急増と有名リゾートホテルの進出による弊害の例もあります。

 

また、マナーが悪い旅行者というのは、外国人だけでなく日本人にも一定数はいますから、「外国人旅行者が増えたから〜」と一概に言えない部分もあるでしょう。

 

それに、1980年代に日本人の海外旅行が急増した頃は、世界中で日本人が同じように煙たがられていたのかもしれません。

 

なので、このSPA!の記事をもって「ほらみろ!」などと言う気はありません。

 

いずれにしても、SNSの普及により、話題になればそこに殺到するという熱しやすさ(&冷めやすさ)は、日本人だけの国民性ではなくなったのは確かだと思います。

 

経済効果が出ればまだしも、そうでない結果に終わった場合、失うものの方が多いように思えてなりません。

 

「増えた!増えた!」と歓喜するだけでなく、その裏で迷惑を被っている人がいないか、自然環境に影響が出ていないか、「オーバーツーリズム」の観点からも、しっかり目を向けておいた方がよいのかもしれません。

 

それでは今日はこの辺で。