タビグルマ雑記帳

仕事で触れることが多い「旅」と「クルマ」を中心に、いつも感じていることを書き綴っています。

「ライターなんて誰でもできる」論に物申す!

今日は私が責任編集&ライターとして仕事している案件について、クライアントさんのオフィスでライター陣が集まってブレストを行ってきました。

 

打ち合わせ終了後、軽く飲んできたわけですが、その際に出た話題が「ライターなんて誰でもできる」という風潮に物申す!というもの。

 

昨年、世間を賑わした悪名高いキュレーションメディア(という名の創造性ゼロのメディア)関連の騒動で、ライターというものにスポットライトがあたりました。

 

キュレーションメディア(笑)で書いているライターたちの多くが、記事1つにつき数百円という安さの仕事を請け負っているため、取材や資料を取り寄せるなどという作業はしていないケースがほとんどだと思います。

 

世間的には「そんな安いギャラではまともな取材なんてできない。ある意味ライターも被害者」といった認識でしょうが、こういったメディアで仕事をしている「ライター」たちにも「ギャラが安いから取材ができない」とか「ギャラが安いから資料を取り寄せて確認する労力をかけられない」という認識があったかどうか、極めてグレーです。

 

というのも、この手のキュレーションメディアで仕事をする場合、いわゆるクラウドソーシングサービスを使うことが多いようですが、ライターになりたいシロートさんが応募すると、契約が成立して初めて自分の記事が掲載される具体的なメディア名を知らされることもあるからです。

 

また、多くの募集要項には「◎◎系メディアに記事を書いてくれるライターさんを募集!未経験でもイチから記事の書き方をレクチャーします」みたいな謳い文句がありますが、記事作成の進め方も契約成立後に指示されるケースが多いようです。つまり、応募段階ではどんな進め方で記事を作成するか、ライターたちに知らされていないのです。

 

そのため記事作成の進め方の指示に、著作権侵害と思われる手順が含まれていても、業務委託の契約成立後ですから、「その手順では他人の著作権を侵害する恐れがあります。やはりこのお仕事は辞退します」とは言いにくいでしょう。メディア関連業界で仕事をしている人でなければ、そこまで頭は回らないかもしれません。

 

「ライター」には、誰でもなることができます。資格も不要、PCとネット環境さえあれば、誰でも名乗った瞬間から立派なライターです。

 

でも、「ライター」という職業は、気が向いた時に気が向いた事をブログやFacebookに好き勝手に書くだけでメシを食っていけるわけではありません。

 

クライアントの要望に基づき、取材したり資料で事実関係を確認したりして、指定された期日までに必要な要素を盛り込みつつ、決められた文字数・行数にぴっちり収めるという作業を、来る日も来る日も継続していくのがライターの仕事です。

 

時には気難しい人にインタビューして、大した話じゃないのを大した話に仕立て上げる技量も必要になります。得意分野はあるにしても、好きな内容だけ書けるわけじゃありません。

 

ですから、断じて「ライターは誰にでもできる」ものではないということを、声高らかに主張しておきたいと思います。

 

それでは今日はこの辺で。