ニュージーランドの神話の世界
いきなりカタそうなタイトルですみません。
私がニュージーランドで生活していたのは2001年から2003年。
もう15年以上前の話なのですが、今でも「そういえば」とか「今考えると」と思い出すことが多々あります。
そのうちの1つが、ニュージーランドの神話。
神話といえば、日本人の私たちにとって身近な存在です。
意識していなくても、日本各地には神社がたくさんありますからね。
神社の由来の多くが、何らかの神話と関係しているものです。
イザナギとイザナミの国産みとか、大国主命の国造りなどは有名なところでしょう。
私がニュージーランドで語学学校に通っていたとき、ニュージーランド人の先生から「ニュージーランドの国造り神話」を聞かされました。
あるところに仲の良い兄弟がいて、船に乗って釣りに出かけた。兄弟で「どちらが大物を釣れるか勝負しよう」となり、弟は何匹か釣り上げた。兄の釣り竿には全然アタリがなかったのだが、帰る間際になってとんでもない大物を釣り上げた。それがニュージーランドの北島で、兄弟が乗っていたボートは南島になった。
これが本当にニュージーランドの神話として流布している、または人口に膾炙しているものかどうか、専門家でない私にはわかりません。ひょっとしたら、話してくれた先生の家族だけに受け継がれているローカルストーリーかもしれませんしね。
ただ、私が訪れたマイナーな場所の1つ、ハブロック・ノースという小さな町にあるテ・マタ ピークという丘の伝説を案内板で読んだとき、あることが思い浮かびました。
案内板の説明は概ねこんな感じ。
この周辺にテ・マタという巨人が住んでいて、村にやってきては暴れたため、村の人々は困り果てていた。ある日、村の指導者たちが集まり、どうしたらテ・マタがおとなしくなってくれるかを話し合った。そこで出た結論は、村長の美しい娘を差し出して結婚させるのがよい、というもの。娘はテ・マタのもとに嫁いだが、テ・マタの乱暴は止まらず、ついに誤って娘を死なせてしまうことになった。テ・マタは大泣きに泣いて、身を横たえて動かなくなった。これ以降、テ・マタが暴れることはなくなった。
不自然なほど隆起したテ・マタ ピークは、丘というには大きすぎるほど、ハブロック・ノースのシンボル的存在となっています。
今この話を思い出すと、暴れ者のテ・マタとは「地震」のことなのではないかと私は考えます。
2011年2月下旬、南島のクライストチャーチを襲った地震では、多くの方が犠牲になりました。
日本ほどではありませんが、火山の多いニュージーランドも地震には悩まされてきた国なのです。
地面が隆起し、ハブロック・ノース近辺の断層が「これ以上動かなくなった状態」こそが、テ・マタの乱暴が収まったとき、なのではないかと思っています。
テ・マタ ピークでも写真を撮ったはずなのですが、データがどこにあるかわからず、文字だけで伝えるのは非常に苦しいところ。
マオリの神話というのも、よくよく調べてみるととても意味深い隠喩だったりするのかもしれませんね。
それでは今日はこの辺で。