コンセプトカーとプロダクト
自動車メーカーが作るコンセプトカー。
私はこのコンセプトカーを、いろんな制限をとっぱらった「理想のクルマ」だと思っています。
ですから、製品になるまでにデザインはおとなしくなっていきます。
かつてのトヨタのように、複数の部署を稟議していくうちにカドがとれた無難なデザインになってしまうこともあれば、法的要件を満たすためにコンセプトカーの特徴的な部分を泣く泣く落とす、というケースもあると思います。
今回は、ここ数年で私が見たクルマのなかから、コンセプトカーのイメージをそのままプロダクトにした例を挙げてみたいと思います。
シトロエン:Cスポーツラウンジ → DS5
http://www.citroen.jp/staffblog/2013/07/-ds5.html
DS5のもとになったのは、Cスポーツラウンジというコンセプトカー。DS5はほぼこのままの形でプロダクトとなりました。ここまで大胆なことをできるのは、フランス車ならではのセンス。ヘッドライト上端からミラー上部にまで伸びる「クロームサーベル」なんて、国産車では採用されることはまずないと思います。
こちらの動画をご覧いただくとわかると思いますが、DS5を語る開発陣の表情も明るくて楽しそうですよね。
日産:カザーナ → ジューク
2009年の東京モーターショーにも登場したコンセプトカーの「カザーナ」。これもコンセプトカーとプロダクトの差異があまりないクルマです。(本当は市販車のジュークが先にできていて、カザーナは後発、なんて裏話もありますが)
ジュークは、これだけ「やり切った」デザインなら受け入れられる、ということを証明してみせたクルマだと思います。中途半端じゃいかん、と。しかもコンパクトSUVという市場を切り開いたクルマですから、そういった意味でもう少し評価が高くてもよいのではないかな、とも思うわけです。
ただ、このテのクルマの宿命として、モデルチェンジが非常に難しいことが挙げられると思います。とはいえ、ジュークの後継か?と思わせるコンセプトカー「グリップス」が、昨年のフランクフルト・モーターショーでワールドプレミアとなっています。今後の展開に注目していきたいと思います。
さて、ここ1年で最もド肝を抜かれたコンセプトカーは、昨年のジュネーブ・モーターショーでベントレーから発表された「EXP10 Speed 6」です。このコンセプトカーがプロダクトになるかどうかはわかりませんが、私の好みでカッコイイ!
仮にプロダクトになったところで手が届くクルマではありませんが、レクサスあたりもこんなコンセプトカーを出してくれたら、国産車のステータスってもっともっと上がると思うんですけどね。
それでは今日はこの辺で。