これぞモータースポーツ参戦の意義!トヨタ、GR HVスポーツ コンセプト発表へ
なんだか嬉しくなるニュースがありました。
トヨタはル・マンに代表される世界耐久選手権(WEC)に参戦していますが、そこで戦うトヨタTS050ハイブリッドからインスピレーションを受けたスポーツカーを、今月末から開催される東京モーターショーでワールドプレミアするそうです。
このコンセプトカーには、TS050のLEDヘッドライトやアロイホイール、ディフューザーなんかのデザインが取り入れられているとのこと。
まあ、デザインは好みが分かれるところなので、その良し悪しをここで語ることはしませんが、レースで得た技術を市販車に展開していくというのは、まさにモータースポーツに参加している大きな意義と言えると思います。
一般人の我々が考える以上に、モータースポーツから市販車へのフィードバックって大きいと思うんです。
レースの世界では、少ない燃料消費量で長く・速く走ることが大前提となります。カテゴリーによって細かいルールは異なりますが、少なくともタイヤなんて1セットで走りきれる方が速いわけですし、給油のためのピットストップだって少ないにこしたことはありません。
よく「レースなんて意味ないじゃん」という声を聞きますが、モータースポーツには極限状態の実験場という意味合いがあります。
ヨーロッパで主流となっているデュアルクラッチトランスミッションだって、もとを正せば「シフトチェンジ時のロスを減らす」という理由でモータースポーツの世界で採用された技術。
今ではこの機構は、フォルクスワーゲンやルノーのような大衆車にまで広がりました。
だからこそ、私は各メーカーに歯を食いしばって何らかのレースに参戦してもらいたいなー、と思っているクチです。
ところが不況の影響で、自動車メーカーにとってモータースポーツは重荷とされてしまい、撤退が相次いでいます。
かつて世界ラリー選手権(WRC)で覇を競い合ったスバルと三菱はワークスとしての参戦をやめてからかなりの時間が経っています。三菱はパリ・ダカに代表されるラリーレイドでも栄光の日々があったわけで。。。
スバルはアイサイトという起死回生の技術があったほか、北米での成功を受けて盛り返しています(トヨタ資本になってからですが…)が、三菱は度重なる不祥事に加え日産傘下になったことで、もうモータースポーツの世界に戻ってくることはないかもしれません。
アウディはWECからの撤退を発表しましたが、これはEV開発に軸足を移すため。モータースポーツから撤退するのではなく、フォーミュラEへの参戦を表明しています。かつてル・マンでも活躍したジャガーも同様ですよね。
そういう意味では、記事のタイトルにあるように「ル・マンで鍛えたハイブリッド技術搭載」というところに、GR HVスポーツ コンセプトのロマンがあると思います。
ぜひ、実現して面白いクルマを世に送り出してほしい!
それでは今日はこの辺で。