アイサイトは融通がきかない学級委員長!?
もはや先進運転支援システムは、クルマの標準装備の様相を呈してきましたね。
最近ではこれらのシステムをまとめて「ADAS(Advanced Driver Asistance System:エイダス)」なんて言い方をするみたいです。
スバルは早くからこのADASの実装に取り組んできただけあり、アイサイトは国産メーカーではADASの代表格にまでなったのではないでしょうか。
多くのメーカーがレーダーとカメラで先行車をはじめとする自車の周囲の状況を検知するのに対し、スバルのアイサイトは2台のカメラで先行車との距離を判断したり、センターラインなどを検知しています。
このシステムを基本とし、2008年の登場以来、アイサイトは進化を続けてきました。
我が家のレヴォーグには3代目にあたるアイサイトVer.3が搭載されていますが、現行モデルはこのVer.3をベースにアイサイト・ツーリングアシストなるものも装備されているそうです。
スバルのクルマを見ていただくと、フロントガラスの中央上部に四角い物が2つ並んでいるのがわかると思います。
これがステレオカメラです。
人間が両目で対象物との距離を測っている(片目だと距離がうまく把握できない)のと同様に、2台のカメラで周囲の状況を読み取る、というのがシステムの基本的な考え方だそうです。
ゴリゴリの文系である私には、それ以上の詳しいことはわかりませんが、使用感は決して悪くありません。
私の知人のスバルユーザーも「アイサイトは楽でいいねぇ」と言っておりましたし、国のADASに関する安全評価基準でも最高評価を得ています。
さて、前置きがかなり長くなってしまいましたが、ここからが今日の本題です。
「ぶつからない」「飛び出さない」「警告してくれる」といったメリットのあるアイサイトですが、この中で「飛び出さない」がネックになってしまった経験をしました。
いつもの登山仲間のN君とT君と一緒に山梨県の早川町オートキャンプ場に行ったときのこと。
1泊して撤収し、いざ立ち寄り温泉へ!とアクセルを踏んだところ、、、
警告音がけたたましく鳴り響き、メーターパネル内には「前方注意!」の文字が。
状況としてはこんな感じでした。
かえってわかりにくいですかね(汗)絵心はないのでご了承ください。
赤が我が家のレヴォーグ。白が、向かいの区画に停まっていたデリカです。
黒い線は高さ5cm程度の縁石で、これを乗り越えてからステアリングを回し、出口のある左方向にに進もうとしていました。
5cmとはいえ、乗り越えるためには多少アクセルを踏まなければなりませんが、アイサイトが目の前のデリカを「先行車」として検出したため、飛び出し防止のブレーキがかかってしまい、進めなかったのです。
まさかアイサイトに邪魔されて5cmほどの縁石を乗り越えられないとは思いませんでした。
こういう場合に採るべき手段は2つ。
1つは、アイサイトを一時的にOFFにする方法。メーカーやディーラーは、この方法を推奨しているのかもしれません。
もう1つが、発進前にステアリングを少し回しておくことです。こちらが私が行った回避手段で、アイサイトに「先行車は僕も認識してるよ。突っ込むつもりはないからブレーキなんてかけないでくれたまえ」と伝えることができます(笑)
まあ、「回避行動を取っている」という状況をドライバーが作ってやる、ということですね。
ステアリングの据え切りは良くないと思われるかもしれませんが、停止状態で右に左に何度も一杯までステアリングを回すわけじゃありませんので、それほど大きな問題はないはずです。
それよりも、OFFにしたアイサイトをONにし忘れて、ONのままだと思っていて事故を起こすよりも安全な方法だと思っています。
車道を逆走する自転車を避けるためにセンターラインに近づくと「はみ出し注意」と警告され、直角に曲がる住宅街を走っていると「前方注意」と注意されることも1度や2度ではありません。
まるで「先生!のびー君が少しセンターラインを踏みそうになりました。いけないと思います!」などと言って、帰りの会で吊るし上げようとする融通がきかない学級委員長のようなアイサイトですが、2020年にはさらに進化したVer.4を搭載したクルマが出るとの噂もあります。
一体どこまで進化するのやら。
それでは今日はこの辺で。